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コマンド解説-応用編その1:パスワードドアを作ってみよう!初級編-

  投稿日:2021/02/06

最終更新日:2021/02/06

 

どうも、ユキミ大福です。

今回はMinecraft統合版のコマンドの応用法として、パスワードドアを作ってみます。今回はその初級編です。

ここで解説するコマンド等は、解説する注意事項等をよく読み、個人でより詳しく調べた上で、個人の責任において使用して下さい。コマンド等の使用によって如何なる損害が発生しても、筆者であり当ブログの管理者でもあるわたくしユキミ大福は一切の責任を負いかねますので、ご了承下さい。

  

パスワードドアとは何ぞや?

パスワードドアとは、一定のパスコードを入力することで開くドアのことです。要するに、ある条件を満たさないと開かない鍵付きのドアです。

このパスワードドアの作り方と考え方については、ゲームに限らず、プログラム全般の動作方法を考える第一歩になります。まずは、いくつかの基礎知識を学んでいきましょう。

 

「論理ゲート」という考え方

「いきなり何の話だ!?まるで意味が分からんぞ!」という方が多いと思います。「論理ゲート」と聞いて何のことかわかった方は、今回の解説はもう一切読まなくて大丈夫です。

 

さて、論理ゲートとは何なのかといいますと、0または1を1つ以上入力をすると、決まった値を返す論理演算を「ゲート」という形で表したものです。

コンピュータ機器であれば、その内部では二進数、つまり「0」と「1」だけで様々なデータが表現されており、そういったデータはこの論理ゲートを組み合わせた電子回路で計算処理されています。イクラ上では、主にレッドストーン回路(以後レッドストーンRSと表記)の形で表現されます。

 

あれこれ小難しい話をしても「???」だと思うので早速、基本的な論理ゲートの数々を見ていきましょう。1回読んだだけではわからないかもしれませんが、初めは「はえ~そうなのかぁ」ぐらいで流していただいても構いません。

 

NOT回路(NOTゲート)

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左がNOT回路、右は比較のための普通の回路

上画像の左2つがNOT回路(NOTゲート)になります。NOT回路は以下のように動作します。

なお、入力をA、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0 -> Q=1
  • A=1 -> Q=0

「NOT(ノット)」とは英語で「○○でない」という否定の意味です。このNOT回路は入力を否定し、逆の値にする回路なのです。

通常の回路であれば、0を入力する、つまりRS動力を入力しない時は出力がありませんし、1を入力する、つまりRS動力を入力する場合は出力があります。NOT回路はその逆をする回路というわけですね。

イクラ上ではRSトーチも使って作る方法が主流で、RSトーチが刺さっているブロックに対してRS動力を入力するだけで簡単に作成できます。他にも作り方がありますが、その辺のお話はレッドストーン回路解説の時にします。

 

OR回路(ORゲート)

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OR回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がOR回路(ORゲート)になります。NOT回路と異なり、OR回路には2つ以上の入力が存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=0
  • A=1, B=0 -> Q=1
  • A=0, B=1 -> Q=1
  • A=1, B=1 -> Q=1

「OR(オア)」とは英語で「○○または○○」という意味です。このOR回路は入力の内いずれか1つでも1であれば1を出力する回路です。上の表のQ(出力)に注目するとわかりますが、Qが0になるのはA=0, B=0の時だけになっていますよね?つまり、A=1またはB=1ならQ=1、という回路なのです。AとBのどちらか一方でも1ならQ=1といった方が数学的だと思います。そのため別名「論理和回路」とも言います。

ちなみにマイクラ上では、普通にRSワイヤーを繋げるだけで作成できます。

なお、3つ以上の入力がある場合もORゲートを作成できます。この場合も、3入力全てが0の時のみ0を出力するというORゲートの特性は保持されます。

 

NOR回路(NORゲート)

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NOR回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がNOR回路(NORゲート)になります。OR回路と同様に、NOR回路には2つ以上の入力が存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=1
  • A=1, B=0 -> Q=0
  • A=0, B=1 -> Q=0
  • A=1, B=1 -> Q=0

「NOR(ノア)」は「Not OR」の略です(多分)。このNOR回路は入力の内いずれか1つでも1であれば0を出力する回路です。上の表のQ(出力)をOR回路のQと比較するとわかりますが、QがOR回路の時と真逆になっていますよね?つまり、A=1またはB=1ならQ=0、という回路であり、OR回路のQをNOT回路で反転しているだけなのです。

イクラ上での作り方としても、OR回路の出力をNOT回路に繋げるだけで作成できます。実際に作ってみるとわかりやすいと思います。

なお、3つ以上の入力がある場合もNORゲートを作成できます。この場合も、3入力全てが0の時のみ1を出力するというNORゲートの特性は保持されます。

 

AND回路(ANDゲート)

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AND回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がAND回路(ANDゲート)になります。OR回路と同様に、AND回路には2つ以上の入力が存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=0
  • A=1, B=0 -> Q=0
  • A=0, B=1 -> Q=0
  • A=1, B=1 -> Q=1

「AND(アンド)」とは英語で「○○かつ○○」という意味です。このAND回路は全ての入力が1であれば1を出力する回路です。上の表のQ(出力)を見ますと、A=1, B=1の時だけがQ=1となっていますよね?つまり、A=1かつB=1ならQ=1、という回路なのです。そのため別名「論理積回路」とも言います。

AもBも1でないとQが1にならない、つまりは全てのRS動力が入力されていなければ出力しないため、ゲームプログラムや、今回作成するパスワードドアでは重宝します。

イクラ上での作り方は、画像のようにRSトーチだけを使うタイプや、RSコンパレーターを使うタイプ等様々な作り方があります。

なお、3つ以上の入力がある場合もANDゲートを作成できます。この場合も、3入力全てが1の時のみ1を出力するというANDゲートの特性は保持されます。

 

NAND回路(NANDゲート)

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NAND回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がNAND回路(NANDゲート)になります。OR回路と同様に、NAND回路には2つ以上の入力が存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=1
  • A=1, B=0 -> Q=1
  • A=0, B=1 -> Q=1
  • A=1, B=1 -> Q=0

「NAND(ナンド)」は「Not AND」の略です(多分)。このNAND回路は全ての入力が1であれば0を出力する回路です。上の表のQ(出力)をAND回路のQと比較するとわかりますが、QがAND回路の時と真逆になっていますよね?つまり、A=1かつB=1ならQ=0、という回路であり、AND回路のQをNOT回路で反転しているだけなのです。

イクラ上での作り方としても、AND回路の出力をNOT回路に繋げるだけで作成できます。上画像ではAND回路の形から、2入力のNOTをORで合流させた部分のRSトーチが抜かれていることがわかると思います。

これは、AND回路にさらにNOT回路を追加した結果、作り方の都合上、RSトーチが縦に2つ並んでしまった(つまりNOT回路が2つ連なってしまった)ため二重反転となり、NOT回路2つが要らなくなったため無くなっています。実際に作ってみるとわかりやすいと思います。

なお、3つ以上の入力がある場合もNANDゲートを作成できます。この場合も、3入力全てが1の時のみ0を出力するというNANDゲートの特性は保持されます。

ちなみに現実世界では、このNANDゲートはとても重宝されていたりします。実は、NANDゲートさえあれば他の論理演算子を再現することができたりするのですが、そんなこぼれ話はまたどこかでしたいなと思います。

 

XOR回路(XORゲート)

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XOR回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がXOR回路(XORゲート)になります。OR回路達とはやや異なり、XOR回路には2入力のみが存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=0
  • A=1, B=0 -> Q=1
  • A=0, B=1 -> Q=1
  • A=1, B=1 -> Q=0

「XOR」とは「eXclusive OR(エクスクルーシブ オア)」の略で、「exclusive」とは英語で「排他的」という意味です。そのため別名「排他的論理和回路」とも言います。「EXOR」とも表記されたりします。

このXOR回路は2入力の値が異なれば1を出力する回路です。上の表のQ(出力)に注目するとわかりますが、Qが0になるのはA=0, B=0の時とA=1, B=1の時の2つがありますね。要約すると、AとBが異なるならQ=1、という回路なのです。

ちなみにマイクラ上では、まず初めにRSトーチのみを使って作るタイプが開発されました(RSトーチが登場したことで作れるようになった)。このタイプの方がXOR回路の原理が分かりやすいのですがやや大きいため、画像ではRSコンパレーターを用いた簡略版を用いています。

なお、このXOR回路及び以下で解説するXNOR回路は3入力以上の場合、特性が失われてしまいます(二進数には0と1しかなく、3つ以上入力があると「全ての値が異なる」という特性の1つを満たせないため)。

 

XNOR回路(XNORゲート)

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XNOR回路の作り方の例と入力・出力パターンの全パターン

上画像がXNOR回路(XNORゲート)になります。XOR回路と同様に、XNOR回路には2入力のみが存在し、以下のように動作します。

なお、入力をAとB、出力をQとしています。「->」は「~を入力すると○○になる」という文言の変換だと思ってください。

  • A=0, B=0 -> Q=1
  • A=1, B=0 -> Q=0
  • A=0, B=1 -> Q=0
  • A=1, B=1 -> Q=1

「XNOR(エクスクルーシブ ノア)」とは「eXclusive Not OR」の略です(多分)。「EXNOR」とも表記されたりします。

このXOR回路は2入力の値が同じなら1を出力する回路です。上の表のQ(出力)に注目するとわかりますが、Qが1になるのはA=0, B=0の時とA=1, B=1の時の2つがありますね。つまりはXOR回路の結果をNOT回路で反転させているだけなのです。要約すると、AとBが同じならQ=1、という回路なのです。

 

「論理ゲート」の考え方をマスターせよ!

さてここまで、7種類の論理ゲートをご紹介しましたが、わたくしはこれら論理ゲートの解説のために、今まで二進数を用いて説明していました。ですが、この二進数は別のものに置き換えることができます。それは、コマンド解説基礎編でも登場した True / False です。

先程までの論理ゲート達の説明で用いたAとかBとかQの箇条書きは、実は簡易的な真理値表というものでした。ちなみに真理値表とは、0と1の組み合わせでその論理演算をわかりやすく表にしたものですはてなブログの機能での表の作り方がわからなかったので箇条書きになりました。本来はちゃんとした表の形で記述されます)

論理ゲートの考え方をマスターするには、真理値表を書くのが最も手っ取り早いです。「なんで?」という疑問はしばらく放っておいていただき、ここまでの真理値表の0と1をそれぞれ TrueFalse で置き換えてみましょう。

 

※A, B を入力、Qを出力とし、True はT、False はFと簡易表記する

  • NOT回路(NOTゲート):
    ・A=F -> Q=T
    ・A=T -> Q=F
  • OR回路(ORゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=F
    ・A=T, B=F -> Q=T
    ・A=F, B=T -> Q=T
    ・A=T, B=T -> Q=T
  • NOR回路(NORゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=T
    ・A=T, B=F -> Q=F
    ・A=F, B=T -> Q=F
    ・A=T, B=T -> Q=F
  • AND回路(ANDゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=F
    ・A=T, B=F -> Q=F
    ・A=F, B=T -> Q=F
    ・A=T, B=T -> Q=T
  • NAND回路(NANDゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=T
    ・A=T, B=F -> Q=T
    ・A=F, B=T -> Q=T
    ・A=T, B=T -> Q=F
  • XOR回路(XORゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=F
    ・A=T, B=F -> Q=T
    ・A=F, B=T -> Q=T
    ・A=T, B=T -> Q=F
  • XNOR回路(XNORゲート):
    ・A=F, B=F -> Q=T
    ・A=T, B=F -> Q=F
    ・A=F, B=T -> Q=F
    ・A=T, B=T -> Q=T

 

こんな感じに変換できました。これで何ができるのかというと、簡単な条件分岐ができるようになりました。

条件分岐とは、プログラム等が設定された条件に従って処理を待機したり、別の処理を実行したりすることを言います。要するに、論理ゲートを用いることで、条件が満たされるまで処理を待たせたり特定の条件を満たした時に特別な処理を行えるようになるのです。

 

「特定の条件を満たした時に特別な処理が行える」という点、なんだか今回の本題であるパスワードドアの作成に使えそうですね?ではここからは、論理ゲートを使った簡単なパスワードドアを作ってみましょう。

 

論理ゲートを使った簡易パスワードドア

ということで、さくっと作ったパスワードドアがこちらになります。

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[画像A1] 4つあるレバーの内、正解のレバー2本だけを引くとドアが開く

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[画像A2] 後ろから見るとこんな構造になっている

[画像A2]では直接レバーが見えませんが、RSランプや鉄のドアの位置関係からレバーをご想像していただけると助かります。一応、RSランプはその下のレバーが引かれていると光るようになっているので、そこからレバーのON/OFFは読み取って下さい。

さて、このパスワードドアは、[画像A1]で見た時の右側2つのレバー([画像A2]の左側2カ所)が正解のレバーとなっていて、それらのみがONになっていると鉄のドアが開く仕組みになっています。逆に、その他のレバーのどちらか一方でも引かれていると、ドアは閉まります。

このRS回路の画像を見ただけでこの回路の動作原理がわかった方は、今回はこれ以上の解説を読まなくても大丈夫です。「俺の目の前には意★味☆不★明の回路が!」という方向けに解説します。

 

真理値表を書いてみよう

まずは、この回路の動作原理を知るために真理値表を書いてみましょう。あと、わかりやすいようにRS回路の方にも色を付けてみます。

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[画像A2'1] 入力・出力・論理ゲートで色分けしてみた

入力・出力・論理ゲートは以下の様に着色しました。

  • 入力:
    ・金ブロック    :入力A(正解1)
    ダイヤブロック  :入力B(正解2)
    ・エメラルドブロック:入力C(不正解1)
    ・鉄ブロック    :入力D(不正解2)
  • 出力:
    ・空色コンクリ   :AとBのAND回路の出力Q1
    ・青コンクリ    :CとDのNOR回路の出力Q2
    ・ピンクコンクリ  :Q1とQ2のAND回路の出力Q3
  • 論理ゲート:
    ・白コンクリ    :AとBを入力とするAND回路
    ・黄色コンクリ   :CとDを入力とするNOR回路
    ・オレンジコンクリ :Q1とQ2を入力とするAND回路

続いて、真理値表を1つ1つ書いていきましょう。慣れない内は、入出力を1組ずつ考えていくのがベターでしょう。

 

まずは白コンクリの論理ゲートからです。ここはAとBを入力とするAND回路でしたね。よって、真理値表はこうなります。

  • 白コンクリのAND回路:
    ・A=F, B=F -> Q1=F
    ・A=T, B=F -> Q1=F
    ・A=F, B=T -> Q1=F
    ・A=T, B=T -> Q1=T

続いて、黄色コンクリの論理ゲートです。ここはCとDを入力とするNOR回路でしたね。よって、真理値表はこうなります。

  • 黄色コンクリのNOR回路:
    ・C=F, D=F -> Q2=T
    ・C=T, D=F -> Q2=F
    ・C=F, D=T -> Q2=F
    ・C=T, D=T -> Q2=F

最後は、オレンジコンクリの論理ゲートです。ここはQ1とQ2を入力とするAND回路でしたね。よって、真理値表はこうなります。

  • オレンジコンクリのAND回路:
    ・Q1=F, Q2=F -> Q3=F
    ・Q1=T, Q2=F -> Q3=F
    ・Q1=F, Q2=T -> Q3=F
    ・Q1=T, Q2=T -> Q3=T

オレンジコンクリのAND回路の入力にはQ1Q2が使われていますが、これは元々それぞれ白コンクリのAND回路黄色コンクリのNOR回路の出力でしたね。そのため、オレンジコンクリの論理ゲートの真理値表に、白コンクリ、黄色コンクリの論理ゲートの真理値表を代入することができます。

入力パターンはかなり多く存在しますが、今回はA~Dの内、2つだけTを入力するパターンの真理値表を考えてみます。

  • このパスワードドアの真理値表(A~Dの内2つだけTを入力):
    ・A=F, B=F, C=T, D=T, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=F
    ・A=F, B=T, C=F, D=T, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=F
    ・A=T, B=F, C=F, D=T, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=F
    ・A=F, B=T, C=T, D=F, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=F
    ・A=T, B=F, C=T, D=F, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=F
    ・A=T, B=T, C=F, D=F, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=T

ここまで考えて来れば薄っすらと気づいたと思いますが、ドアが開く、つまりはQ3=Tとなるには、Q1とQ2のANDを取ってTである必要があります。そしてQ1=Tを満たすためにはA=T, B=Tである必要があり、Q2=Tを満たすためにはC=F, D=Fである必要があります。よって、このパスワードドアはA=T, B=T, C=F, D=Fのパターンでのみ開くということです。

実際に、上記6パターンの入力を試してみましょう。

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A=F, B=F, C=T, D=T のパターン

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A=F, B=T, C=F, D=T のパターン

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A=T, B=F, C=F, D=T のパターン

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A=F, B=T, C=T, D=F のパターン

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A=T, B=F, C=T, D=F のパターン

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A=T, B=T, C=F, D=F のパターン(正解パターン)

 

ちょっと改造してみよう

さて、ここまではAとBのANDをQ1、CとDのNORをQ2、Q1とQ2のANDをQ3として論理ゲートを構築していました。しかし実は、このパスワードドアの論理ゲートの組み方はもう一通りあります。

RS回路をよく見ると、RSトーチがドア下のように2つ連なっている場所がありますよね?要するにそこは二重反転になっているので、省略することができるはずです。

二重反転となっている部分を無くすと下のようになります。

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[画像A2'2] 二重反転の場所を省略してみた

新たにRSリピーターが設置されていますが、これは真理値を考える上ではRSワイヤーとして考えてもらって構いません、つまり今は考慮しなくて大丈夫です。

これで論理ゲートが以下の様に変わりました。

  • 論理ゲート(二重反転箇所省略後):
    ・白コンクリ    :AとBを入力とするNAND回路
    ・黄色コンクリ   :CとDを入力とするOR回路
    ・オレンジコンクリ :Q1とQ2を入力とするNOR回路

そのため、真理値表も以下の様に変わります。

  • 白コンクリのNAND回路
    ・A=F, B=F -> Q1=T
    ・A=T, B=F -> Q1=T
    ・A=F, B=T -> Q1=T
    ・A=T, B=T -> Q1=F
  • 黄色コンクリのOR回路
    ・C=F, D=F -> Q2=F
    ・C=T, D=F -> Q2=T
    ・C=F, D=T -> Q2=T
    ・C=T, D=T -> Q2=T
  • オレンジコンクリのNOR回路
    ・Q1=F, Q2=F -> Q3=T
    ・Q1=T, Q2=F -> Q3=F
    ・Q1=F, Q2=T -> Q3=F
    ・Q1=T, Q2=T -> Q3=F
  • このパスワードドアの真理値表(A~Dの内2つだけTを入力):
    ・A=F, B=F, C=T, D=T, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=F
    ・A=F, B=T, C=F, D=T, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=F
    ・A=T, B=F, C=F, D=T, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=F
    ・A=F, B=T, C=T, D=F, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=F
    ・A=T, B=F, C=T, D=F, -> Q1=T, Q2=T, -> Q3=F
    ・A=T, B=T, C=F, D=F, -> Q1=F, Q2=F, -> Q3=T

論理ゲートの論理演算結果は異なる部分もありますが、最終的にQ3=Tとなる入力の組み合わせは変わっていません。

このように論理演算は、異なる論理ゲートの組み合わせでも同じ結果が得られることがあります。そのため1つの組み合わせを見つけたら、他の組み合わせでもできないかどうかを考えると、論理ゲートの考え方が早く身につくかもしれません。

なぜそんなことが起こるのかという細かいお話は、またどこかでします。今回は「そんなこともあるのか!」という認識で問題ありません。

 

結局論理ゲートとは何ぞや?

さて一番初めのお話に戻りますが、結局論理ゲートとは、0または1を1つ以上入力をすると、決まった値を返す論理演算を「ゲート」という形で表した電子回路及びその考え方のことです。これは条件分岐を構築する上で大きな助けになってくれる上に、その動作を論理式や真理値表で表すことができます。

今回を含め3~4回はパスワードドアの作成に論理ゲートを使用しますが、この論理ゲートは応用法が凄まじく広く、これ無しにはマイクラ上でゲームを作れないどころか、この世の電子機器の全てが成り立ちません。

また、論理ゲートの動作原理は数学の「集合」と考え方が被る部分も存在します。そのため、イクラで論理ゲートの仕組みを知っておけば、学校の数学の理解にも繋がると思います。実際わたくしユキミ大福も、マイクラでRS回路作りにドハマりしていた頃に「集合」を勉強した時は「あ!これ進研ゼミイクラでやったとこだ!」となりました(笑)。おかげで「集合」はほぼ勉強せずにいい点が取れてました。

 

それはともかく、この論理ゲートの考え方はこれからマイクラでゲームを作る上でその根幹を成す超重要要素の1つですし、その他日常場面や勉強の上でもマスターしておくと楽な部分なので、ぜひマスターしてみて下さい!

 

次回はこのパスワードドアをさらにパワーアップしていきます。より難解なパスコードの設定できるようにしたり、よりスマートかつ便利に動作するようにしたりしていきます。ここからがRS回路やコマンド構築の面白いところになりますので、ぜひご覧下さい!

次回リンク ↓

 

今回のまとめ

  • 論理ゲートとは、0または1を1つ以上入力をすると、決まった値を返す論理演算を「ゲート」という形で表した電子回路及びその考え方のこと!
  • 論理ゲートで条件分岐を作れば、条件が満たされるまで処理を待たせたり、特定の条件を満たした時に特別な処理を行えるようになる!
  • 論理ゲートの動作原理は真理値表を書くと理解しやすい!
  • 同じ入力に対して同じ出力ができる論理ゲートの組み合わせは1つとは限らない!色々考えてみよう!
  • 論理ゲートをマスターすれば、マイクラでも数学の勉強でも日常生活でも便利!

 

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